桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「そろそろ青磁も、自分の家に帰りたいでしょ?
ここからは成佳も遠いもんね」
「いや、待てってー」
「頼むわよ、青磁。伽羅ちゃんのこと」
え?
頼む?
青磁先生に、私を…?
「待て!ありえないだろ、女の子を男の家にー」
「教師!あんたは教師!
でしょ!!」
「そうよ、青磁。あなた間違っても、伽羅ちゃんや伽代を泣かせる様なマネするんじゃないわよ?」
「だから、男の家にー」
「あんたは教師!男じゃなくて、教師!!」
んな、むちゃくちゃな。と青磁先生は前髪をかき揚げ、煙草を一本くわえた。
「青磁っ、煙草は外」
茜さんが庭の方を指差す。