桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「って事で、よろしくね、青磁」

近くで、茜さんの声がして、振り返る。


「待て待て、伽代さんが許すはずないだろ。男との暮らしなんて」

「男じゃなくて、あんたは教師!それにハトコ。親戚。血の繋がりあり!」

「に、してもな……」

「問題なし!
幸い学校違うから、教師と教え子じゃないし。
今、お母さんが伽代さんに電話して説明してるとこ。
青磁君にくれぐれもよろしく伝えてほしい、ってさ。
信用されてるね~、青磁先生」


あぁ~、と青磁先生は額に手をあて、夜空を仰いだ。




< 98 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop