心を失ったカノジョ
次の休み時間にケータイをギュッと握って新に電話をかけた。




プルルル……「ん?誰」




「私……心。だけど」




………いっぱい話したいことある。




居場所がないこと、やっぱり私は邪魔だということ。




慰めてほしくて……。




「ん?どうした声震えてる」

「あのね……やっぱり私……私」

「うん」

「明日香の家族にとって邪魔だった」

「…………」

「私がいるとへんな目で見られるって」




私……みんなと何も変わらないのに。




ちょっと道外しただけなのに。




親いないだけなのに…。




それなら最初から親切にしてくれなくたって良かった。




< 172 / 317 >

この作品をシェア

pagetop