心を失ったカノジョ
ただ…1時間を大嫌いな教室で過ごした。




でも新のいる場所に足を踏み入れただけで…心が安らぐ。






「………新」

「こっち来いよ」




新のいるところへ近づいて……抱きしめられた。




こうしてくれるの……好き。




不安も少し取り除けるの。




「お前の居場所……作ってやる」

「うん………」

「またボロボロだ……」




後頭部を自分の胸に押しつけた新…。




人間の心理かな……暗いと急に暗くなると、




泣きたくなる…表情が見られないから。




「………ひっく…ぅ」




優しく背中をさすってくれた……。




「詳しく聞かせてくれよ、話せるところまで」





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