冬の日の犬のお話
真樹子が訪れるのは診療時間が終わった後の時間だが、獣医は快く迎えてくれた。
芋羊羹が好きだと言ったのは事実だったらしく、あの翌日に真樹子が持参したそれをいたく気に入ってくれた。
以来、真樹子は一日おきに持っていくが、もう飽きたとは言われることはなかった。


< 114 / 135 >

この作品をシェア

pagetop