冬の日の犬のお話
でもねぇ…
楽しかったのよ一緒にいて。
楽しいこともいっぱいあったの。
だからさぁ…

いいかなって…



老犬が、その白く濁った目を開いて、真樹子を見つめた。



おまえだってさ…

ひどい飼い主にあたっちゃったけどさ、
こんなボロ雑巾みたくなっちゃったけどさ、
でも…


きっと楽しいことだってあったよね?


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