冬の日の犬のお話
ぼくらは、お祖父ちゃんの畑の横の道をずんずん歩いて行った。
道は畑や田んぼや林の間を通って、おわんみたいな丸い山のふもとまで続いている。
けっこう遠いみたいだ。

林のわきにさしかかった時、前を歩いていたカズヤ君がいきなりわっ!と叫んだ。


『なに?どうしたの?』


『犬だよ犬!急に飛び出してきたから、ビビったよ!』


まっ白い中くらいの犬が、ぼくらの方をじっと見ていた。


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