冬の日の犬のお話
おじいさんは、じっとぼくらを見つめていた。
しらがが混じった、ごま塩みたいな髪の毛を肩までたらして、ひげも伸びほうだい。
冬なのにはだしで、ぼろぼろのぞうりをはいている。


『ここここんにちは…』


大声をあげたカズヤ君が、あわててあいさつをした。


『こここんにちは…』


ぼくもあわててあいさつをした。

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