冬の日の犬のお話
『見かけん顔じゃな。
この村のわらべじゃなかろう?』


おじいさんがふいに口をひらいた。


「わらべだってさ…」


カズヤ君のささやき声がおじいさんにも聞こえそうで、ぼくはあわてて答えた。


『は、はい。違います。お祖父さんのうちに遊びに来てて…』

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