冬の日の犬のお話
『ねえ、おじいさん。
それで、弥助って人はどうなったの?』


カズヤ君がきいた。

おじいさんは笑って…


ぼくは思った。
こんなに寂しい
こんなに悲しそうな笑顔があるなんて…


おじいさんは、
笑って答えた。


犬にも劣る
人でなしじゃ
人で居られようはずもない…


< 84 / 135 >

この作品をシェア

pagetop