心を込めた恋愛
それって、私のかな?
いいよ!なんて言ってお兄ちゃんのだったら恥ずかしいじゃん。
聞いてみようかな?

「お兄ちゃんの?」

すると、隼吾は笑って言った。
「何言ってんの?清水のだよ」
「そ、そっか~、いいよ!」
"清水の"だって!!

でも、"千春の"のほうがうれしかったなぁ・・・。
「ねぇ、千春って呼んでよ」

私、何言ってるんだろう・・。
こんな積極的なことしないはずなんだけど・・。
「いーよ。千春な」
「うん!千春だよ」
私はうれしくてたまらなかった。

自分のメアドと番号を書いた紙を交換しようとしたとき・・・
「あっ!」
「あっ!」
手が少し重なった・・。

私より少し大きくて暖かい手・・。
私は顔を赤くして言った。
「ご、ごめん」
「俺こそ、わりぃ・・」

しばらく沈黙が続いた。
その時、
「たまには、俺んちにも来いよな」
「え?うん・・。行ってもいいの?」
私は、遠慮気味に言った。
「千春の家ばっか行くのも失礼だろ?」

千春って言った・・・。
名前で呼んでくれた。
「そうかな?でも、隼吾の家行きたい!」
「だろ?じゃあ決まりっ!」

話しがつい盛り上がってしまい、
「そこ、うるさいぞ!」
と、先生に言われてしまった。


せっかく・・・。
私はそう思いながら、隼吾のメアドを見た。

「よしっ!」
私は、小さくつぶやき大切にその紙を筆箱へ入れた。







< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop