HAPPYBIRTHDAY-主役のいない誕生日-
誕生日
「ハッピバースデーテューユー、ハッピバースデーテューユー、ハッピバースデーディア……」

僕たちは近所でも有名な仲の良いカップルだった。

アパートの付き合いから、よく煮物をわけに来てくれたおばちゃんに「可愛いカップルですこと」なんて言われたりするとすごく嬉しかった。

あの頃の僕等は、とても微笑ましかった。


だから近所の人たちも、少し前までは僕に気を使ってよく話しかけてくれていた。


だけど最近はみんな僕の事をかわいそうな目で見るんだ。


噂では僕は君を失ってちょっと理性を失った少年なんだってさ。

確かにそうかもしれない。

あの日から4ヶ月がたった今、僕は……


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