【短】歌声を君に
バタバタと、玄関へと向かった。
「おかえり!春陽(ハルヒ)ちゃんっ!」
とびっきりの笑顔で、彼女に駆け寄った。
「だ……だれ……?」
春陽ちゃんは、すごく困惑しながらも 頬をほんのり赤らめていた。
「僕、ソラだよ! 春陽ちゃんに助けてもらった、ソラ!」
「ソラ……?」
「うんっ!」
目をまんまるくした春陽ちゃんは、少しでも信じてくれてるかな?
「…ソラは人間になったの?」
部屋に戻った春陽ちゃんは、籠を見ながら言った。
「うん。神様が叶えてくれたんだよ!」
こっちに振り向いて微笑んだ春陽ちゃん。
春陽ちゃんは、信じてくれるはずだって思ってた。
「春陽ちゃん!」