【短】歌声を君に




いつもと変わらない朝。


昨日は初めて、神様にお願いをしてみた。



目を覚ましても いつもと同じ景色、籠の向こうに見える君。


人間になんて なれるわけ無いか…。




人間になれれば、今以上に彼女の隣にいられるのにな。


彼女が悲しい時には“言葉”をかけてあげられるし

好きな場所へ 僕が連れ出すこともできる。


そして、自慢の“歌”を歌ってあげるんだ。




鏡を見ながら髪の毛を整えてる彼女に、いつも通り 歌を届けた。



「やっぱりソラは、歌が上手いね!ほんと癒されるな。」


なんて、君が微笑みながら誉めてくれるから、思わず照れてしまった。


上ずって変な声にならなかったかな?




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