【短】歌声を君に
僕は小鳥。
君は人間。
でも、でもね。
きっと この気持ちは“恋”。
君を見てると近づきたくなるし、振り向かせたくなる。
だから、精一杯 歌うんだ。
「今日もまた、帰ってきたら一緒に遊ぼうね。」
僕の顔を除きながら、弾んだ声で言う君。
もちろん、
「チピピ!チュンチュン♪」
僕にとって それが1日の楽しみなんだから!
彼女が帰ってきたら、「ただいま」の一言と一緒に、ただいまのちゅーも してもらえるんだ。
それに僕が眠くなると、彼女は その大きくて柔らかい手のひらで眠らせてくれる。
だから、その時間がすごく楽しみ!
「じゃあソラ、ごはん食べたら行ってくるね!」
支度ができた彼女は、僕に挨拶をしてからパタパタとリビングへと向かっていった。
ドアからは、ママが作った料理の匂いが漂ってくる。
彼女のパパ、ママとお兄ちゃんが話す声が聞こえてくる。
僕も混ぜてほしいなぁ。