羽根の化け物
まず場所を確認しようじゃないか。
ここは、水波町の川崎家。よくある一軒家だ。
何の変哲も無いよくある一般人の家だ。
確かに化け物じみた力を持つやつは、この田舎よりの町にも何人かいる。
だが、水波は他の町より化け物を寄せやすい。
化け物が大好きな両親は、そういう話を聞いてこの町に越したのだから。
ああ、だからといって目の前で遭遇するとは思わないじゃないか!
「あ、おじゃま、してます」
じっと見ていたら、普通に挨拶されてしまった。
あ、えと、これは挨拶返すべきだよな。
「おじゃま、されてます」
「ごめんなさい。勝手に、入ってしまって」
ソファーに座っていた女の子は、眉を下げて謝った。
良かった。
悪い化け物じゃないみたいだ。
俺は、続けて話を聞くことにした。