恋風船
家に帰ってからも山本という男を記憶から探そうとしたけど全く出てこない。
だけどこんなことぐらい分かってたこと。
島田のこと好きな奴は俺だけじゃないって分かってたはずなのに少し近くなれただけで調子に乗ってたのかもしれねぇ...
白金髪ってだけで俺のことをよく思わない奴らが真面目な島田に近付くなんて許せないとでもきっと思ってるんだろう。
恋愛に真面目も不真面目も糞もあるのか…?
好きな気持ちはどんな奴であれ同じじゃないのか?
結局見た目だけで判断されて軽蔑される。
それだけで軽いとか言われるのにも慣れたけど俺はむしろ重い男だと思う。
……そろそろ色落とすか。
いきなり黒に戻すのも抵抗あるし茶髪ぐらいなら。
明日の体育祭でこの髪とはさよならしよう。
そう思いながら眠りについた。