コイアイ〜幸せ〜
そこに通りかかったのは、同じ部署の市田 美波ちゃん。
私のチームの一員で、2年前に入社した娘だ。
優しい雰囲気に癒されるのよね。


「気にしないで。松本さんの所にいって、勝手に凹んでるだけだから」


「珍しいですね。いつもなら、報告の後には闘志満々で残業なのに」


ハァ〜、そんなふうに見られていたんだ。


「いや、今日はこのあとに予定が入ってるからちょっと急いでたの」


適当に誤魔化してみた。


「山下チーフは、彼氏さんとデートですか?」


「まあね」


本当は違うけど、面倒くさいからそうゆうことにしておこう。


「そういえば、松本さんの彼女はどんな人なのかなぁ。噂は聞かないからもしかしていないのかも。あんなに素敵な人だからみんなほっとかないんだろうな」


う〜ん、そんなものなんだ。


「山下チーフは、かっこいいなって思いません?」


いや、全然。
むしろ好きになったら苦労しそう。


ないない。
私は、笑いながら首を横に振った。


「でも、山下チーフも格好良くて素敵です」


柔らかい、可愛い笑顔を向けられた。
美波ちゃんのこうゆう所が皆に愛されるんだろうな。
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