コイアイ〜幸せ〜
紅茶はとても美味しいけれど、この時、私の頭には不穏な言葉が横切っていた。


闇をのぞく者は、また闇にものぞかれている。


うんうん、今の状況にぴったりはまる。
まさに悪魔みたいな人だから。


「これで、仕事の能率もあがるはずですね」


なんでそんなにご満悦?

そう言えば、私はまだ、助けてもらったお礼を言ってなかった。


「・・・あ、ありがとうございます」


またもや、頭を撫でられた。私の扱いは、猫ですか・・・。


「紅茶のお礼ならいりませんよ。証拠入りボイスレコーダーのねぎらいですから」


う〜ん、なかなか伝わらないなぁ。
言葉って難しい。


「不本意だったかもしれませんが、今日は、助けてくれてありがとうございました。紅茶も、とても美味しかったです」


お礼の言葉って大切。
親がよく言ってたな。




「尾田に触られた所を、俺で消毒してあげましょうか?」


俺で・・・、で、ってなに。

「いりません、やっぱりセクハラで訴えられたいんですか」





この天然ホストめ。
美味しい紅茶には、騙されませんから。







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