コイアイ〜幸せ〜
私には衝撃だった。
「つららはさぁ、俺のことが好き?」
もちろん、好きです。
私は、コクンと頷いた。
今、私たちはベッドの中。合コンで知り合って付き合い始めた彼氏から、衝撃の言葉を聞いた。
「じゃあさ、俺と仕事、どっちが大切?」
はい?
それって普通は、彼女が彼氏に言う事じゃない?
ほてっていた身体に、勢いよく冷水を被せられたみたいな感覚だった。
「きゅうにどうして」
私は、寝ていた身体を起こして彼氏を見つめる。
「別に、今初めて思った事じゃないんだ」
「つららが悪い訳じゃない、悪いのは、そんなことを考える俺の方。ほら、今だって、答えられないでいる」
だって、それはびっくりしているから。
乾いた口で、機械的に声を出す。
「もち、ろん、裕司だ、よ」
「嘘だな」
それすらも、バッサリと切り捨てられる。
頭の中は真っ白だった。
「付き合ってわかった。俺は、つららにとって一番じゃない」