コイアイ〜幸せ〜
つい、ポロリと行き場所を吐かされた私に、悪魔の笑みはますます輝きを増していく。


「確か今日は予定が入ってなかったですよね、俺も行きますよ、その飲み会に」


いやいやいや、悪魔に招待状は送っておりませんから。
急に何を言い出すんだ、この人は。


「久しぶりに、美味しいお酒を飲みたいと思いまして」


是非一人で飲んで下さい。


「でも、松本さん。メンバーは前の部署の人達ですし、はなしが合わないかもしれないですよ?」


絶対に、綺麗なお姉さんと飲んだ方が美味しいですって。

やめた方がいいですって。私もみんなもドン引きですから。


「たまには、社員と交流を深めるのもいいものですよね」


人の話はサラッと無視か。


「そうと決まれば、早く仕上げて下さい。もう邪魔はしませんから」


またもやクルリとまわされて、目の前には、パソコンの画面が現れる。


「はい、全力を尽します」


しくじったなぁ。
こうして、私のプライベートに進出されるハメになるなんて・・・。

松本め、あなどれない人だ。
< 147 / 310 >

この作品をシェア

pagetop