コイアイ〜幸せ〜
『今日はどうやって行くんだ。俺もつららさんも飲むんならタクシーでも呼んどこうか?』


宗助からのメールが、すんごく心苦しい。


「さぁ、行きますよ。お店までは佐々木が車を出すそうです」


社長の運転手さん!
こんな男の足に使われちゃ駄目ですよ。

松本さんも自分付きの運転手じゃないんですから、そんな事で呼ばないで下さい。


「彼は喜んで車を出すそうですから、気を使わなくても大丈夫ですよ」


あ、そうですか。
こんな所に悪魔の使い発見。


「お供させて頂きます」


私の飲み会なのに、何故?


『タクシーはいらないから。なんだったら、皆で相乗りしてくればいいよ。
サ、サプライズゲストが来るかもだけど、気にしないでね。』


メールを打つ手が震える。
悪魔と一緒なんて、恐ろし過ぎて伝えられない。
なんか、罪悪感でいっぱいだ。



「山下様、どうぞお乗りください」


佐々木さんは、ほんわかした初老の男性だ。

こんな人が、悪魔の手下なんて・・・。
この人の人生を勝手に妄想して、そっと涙ぐんだ。


「早く乗りなさい」


すでにシートに座る彼を見た。


私にエスコートはないんですか。
そうですか。
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