コイアイ〜幸せ〜
『多分それ価値観の違い。相手に求めているものが、お互いに違ったんだよ』


親友の電話で慰められている。


『もー、なんで泣いてわめいて引き留めなかったの。嘘もばれてるし』


慰められて、いるの??


『いい人だったのに。つららってば、仕事は出来るのに女力が足りないんだから』


えっ?ここでもダメ出し?


『で、結局別れちゃったのね。ご愁傷様』


「はっきり言わないで、私だって泣きたいよ。でも、あまりにも突然過ぎて、実感がわかないんだから」


昨日の今日で、ホント実感がない。
っていうか、自然と考えないようにしていた。

多分、考え出したら動けなくなると本能が感じているから。

明日は仕事。
くよくよなんてしてはいられないんだ。


『合コンでも開く?気晴らしにはつきあうわよ』


優しい友人のぶっきらぼうな言葉が嬉しかった。


『今はいい、そんなことまで考えられないから。ありがとね、気を使わしちゃって』


『気持ち悪っ。お礼とかびっくりするわ、気なんか使ってないから。じゃあね、なんかあったら連絡しなさいよ』



私は、笑いながら電話を切った。



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