コイアイ〜幸せ〜
頭と心が痛くなる。


いつもだったら、なんとでも返せることなのに…。


あ、吐くかも。


急に、嘔気がこみ上げてきた。


待って、こんなところで吐くわけにはいかない。
佐々木君は一緒のチームだから、これからも一緒に仕事をしていく仲間なんだから…。


グラグラして、その場にへたりこんでしまいそうになる。


ぐっと奥歯を噛み締めて、佐々木君の手をそっと降りほどいた。



チリリリ…チリリリ…



突然、バックの中から着信音が聞こえてきた。


佐々木君は、驚いたような戸惑うような顔をしている。


「佐々木君ありがとう、でもその気持ちには答えられない。ごめんなさい、電話に出るね」


その場から少し離れ、バックから携帯を取り出す。


通話ボタンに親指を伸ばしたとき、


「チーフ、やっぱりかっこいいです!俺、今回の仕事頑張りますっ!」


爽やかな声と、佐々木君が走りさる音が響いた。







『もしもし』


電話の相手は宗助だ。


『つららさん、今、どこ?』


会社に戻る途中なんですけど。
このタイミングで、少し感謝しているんだよ。
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