コイアイ〜幸せ〜

『今から会社に帰るところよ。部下に告白されて困っていたところに、ちょうどあなたから電話がかかってきたわけ。』


いつもの声に、だんだんと気分が落ち着いてきた。


『なっ…』


『タクシーを拾ってそっちに行くわ。どうせ宗助も会社にいるんでしょ、用件は後で聞くから』


『ちょ、つららさんっ』


一方的に電話を切った。
連絡をくれたってことは何か問題が発生したんだと思うんだけど、もうちょっとだけ一人にしておいて欲しい。



私も、頑張らなくちゃいけないから。




つかまえたタクシーの中で、私はゆっくり目をつぶった。