コイアイ〜幸せ〜
予想通り、プレゼンの企画には大きく駄目出しが入り、私は、彼らのアドバイスに借り出されていた。

会議が終わって部屋から出ようとした所、彼らに泣き付かれたんだ。


「すいません、山下さん。松本さんに指摘された事はもっともだと思ったんですが、なかなか解決策が出てこなくて」


「いいの。つてはいくつかあるから、困ったら相談くらいのるわよ」


「本当に助かります」


「実際にやるのは貴方達だからやり方や考えは尊重するわ。それにはもう少し、準備や根回しが必要だと思うの。私や松本さんがびっくりするくらいの成果を出してくれると、とても嬉しい」


仕事に一生懸命な人って可愛いなぁ。


「山下さんのアドバイスは本当に的確ですね。俺、惚れてしまいそうです」


「バカ、山下さんが相手にするわけないだろう。すいません、コイツ惚れっぽくて」


年下君にそんなことを言われると、恥ずかしくなっちゃうから。



コンコン。



ドアをノックする音がした。外から声だけが聞こえた。


「何処に居るかと思いましたが、こんな所にいたんですね。山下さん、戻りますよ」




・・・あ、すっかり松本さんの存在を忘れてた!



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