コイアイ〜幸せ〜
ざっくりとまとめるとこうだ。


顧客データは閲覧は出来ても、松本さんか各部署の限られた人間しかコピーすることは許されていない。
コピーするには、パスワード入力が必要だからだ。


それなのに、不正にコピーされた形跡が残っており、誰の仕業なのか、まだ掴めてはいないらしい。


このことが発覚したのは今日の夕方頃で、まだ世間には公表されていない。

そして、その顧客データのコピーが何処かに流れているわけではないけれど、いつ、何処に流れてもおかしくはない状況だということだった。


「ウィルスの類ではありませんでした。ネット上にデータが流れたわけではなく、純粋にUSBメモリーなどにダウンロードした可能性があります」


「では、外部からの干渉ではなく、内部からのアクセスということでしょうか」


情報処理の社員の話しの後に、松本さんは確認をとる。


「その可能性は高いです。各個人のパスワードはそれぞれ違うのですが、アクセス時の承認は、社員の誰とも一致はしていないんです。今、我々がコピーされた場所や時間、入手経路を探しています」


ここに来る途中、電気が付いていたオフィスがあったのは、それを調べていたんだね。
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