コイアイ〜幸せ〜
決定的な映像があればなぁ。

悔しいことに、執務室の扉の前や部屋の中には監視カメラは置いていないんだ。


けれど、なんとなく、出入りしたと思われる人物はリストアップされてきてある。



でも、休み中は鍵だってかけられているんだし、私のパソコンにはロックだってかかっているんだから。



眠い目を擦りながら、私はため息をついた。


その眠気にカツを入れるように、隣の携帯電話が鳴る。


『つらら?疲れてないか?』


それは宗助からの電話だった。


「私は大丈夫。宗助こそどうしたの?何かわかった?」


『あぁ、つららへの疑いは晴れたよ。やっぱうちの社員スゲェな、犯人は人事部の長谷部って野郎だった。今、何人か人を向かわしている、そいつが持っていれば解決だ』


疲れ気味な声を聞きながら、私は少し疑問が残っていた。


今は、朝方の5時。
窓はないけれど、きっと朝日が登る頃に違いない。


だけど、とりあえずは解決に向かっていることにほっとして、私は、その場で眠りこけてしまった…。



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