コイアイ〜幸せ〜
んっ、…足がダルい。


記憶を無くすように、睡眠をとってしまった!

むくんだ足を気にしながら椅子から身体を剥がす。


あれっ、寒くない…。


肩にはタオルケットが掛けられていて、身体は冷えてはいなかった。


「…何時?」


近くに置いてある携帯電話を引き寄せようとする。



「おはようございます。山下さん」



…んっ、ん?はいっ?!


「寝顔は可愛いかったとは言えませんね、眉間に皺が寄っていました」


薄暗い部屋の中でいるはずの無い悪魔が、画面のモニターを見ながら私に微笑みかけた。


一気に目が冴えましたよ、魔王様。


「なっ、どっ」


何をしているのか、どうしてここに居るのか、声に出したいのに声が出ない。



「もう朝の8時です。けれど、面白いシステムですね、山下さんが汚い顔で寝ている時間に見させてもらいましたから」


汚かったですか…ってそうじゃなくてですね、起こして下さいよ。
それも嫌ですけど。


あのまま寝てしまった私を怒ってやりたい。


「ここはもういいですね。山下さん、執務室に戻りますよ」



そうですね、私も知りたいことが沢山ありますから。


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