コイアイ〜幸せ〜
「すいません。私が寝ている間に進展はあったんですか?」


私は、紅茶をすすりながら松本さんに聞いてみる。

この悪魔は昨日から寝ていないというのに、この爽やかさはなんなんだろうか。


「肝心なデータは持っていなかったそうです。今は、出社できる社員総出で探している最中ですよ」


大掛かりなことになっていますね。

確かに、今一番大事なのはデータなんだよね。
ってことは、共犯者がいるということになる。まだまだ解決はしていないんだ。


「私も探してきますっ」


そう言って、飲みかけのカップを置いた。


「疲れているのでしょう、貴方はここに居て下さい。」


いえいえ、まだ私は働けますよ?


そういう気持ちで彼を見た。


「夜通し働いたスタッフには仮眠を取るように伝えてあります。俺も鬼では無いですからね」


何言っているんですか、充分に鬼ですけれど。


そんな心の声を察したのか、この悪魔は、恐ろしい事を口にした。


「そこのソファーを使っていただいて構いません。休まないのであれば、俺が、何も考えられなくなるまで疲れさせてあげますけれど?」



…わかりました。
全力で休ませて頂きます!
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