コイアイ〜幸せ〜
「松本さん、私も一つ気になっていることがあるんです」


パソコンの画面を見つめながら、私も、静かに言った。


悪魔はポチポチと携帯電話をいじっている。
…こんな時にメールですか。


「山下さん、俺とゲームをしてみませんか」


はっ?
私の話を聞いてます?


「遊べと言っているんですよ」


あ、爽やかな笑顔だ。


「こんな状況で冗談ですか?話を聞いて下さい。もしかしたら手がかりが掴めるかもしれないんです」


今日は負けないですよ、私。
ご飯を食べたら元気が出て来たんですから。


私は、松本さんの近くまで詰め寄ると、座っている松本さんを上から見下ろした。


「監視モニターの録画なんですが…」


「恋人ごっこです」


私の言葉を無視するように小さく一言付け加えたあと、突然、後頭部に手がまわされて、頭が彼の方へ引き寄せられる。


「ぅ…んんっ」




私と悪魔の距離はゼロ。


唇には、彼の感触。





私の頭の中は真っ白で、プチパニックの状況だ。



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