コイアイ〜幸せ〜
首だけを少し傾けてみると、執務室の扉が、うっすらと空いているのがわかった。


その扉が、ゆっくりと開かれていくのがわかる。






「今、俺が最も愛している人です」



その紹介よりも、開いた扉の先にいた人物に、私はびっくりした。





そこには、以前見た、受付けの女の子が立っていた。




「ですから、大人しく、データを渡して下さいね」




見ないでもわかる。

彼は、極上の笑顔で言っているんだろう。



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