コイアイ〜幸せ〜
仕事モード、気合いは充分。
プロジェクトの進行状態がわからないから、いつもより早く会社に出勤する。


「なんかドキドキするなぁ」


まだ誰もいない、ひんやりとする部署を見渡すと、早速パソコンを立ち上げてメールをチェックする。


取引先から数十件、そのひとつひとつを確認しようとした時、一件の社内メールに目が止まった。


執務室からだ…。


差出人は誰か、考えなくても分かる。
しかも、今日付け、私が出社した時間よりも早い時間にメールが届いている。


「怖っ。朝いちでこれだから嫌なんだよね…」


つい、独り言が漏れ出てしまう。
個人的には凄く開けたくはない。
いっそ無視したいくらいだ。


…まぁ、社会人として、そうはいかないのが悲しいのだけれど。


『件名 今回のプロジェクトについて
差出人: 松本晃一』


おそるおそるカーソルを合わせてクリックする。


『もし朝礼の時刻を過ぎていたのならば用はありません。
上司命令です。
このメールに気がついた時点で、執務室に来るようにして下さい。
今回の詳細を伝えます。』


私は、とっさに辺りを見回した。まだ誰も来ていない。


早く、だ、誰か来て!


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