コイアイ〜幸せ〜
「宗助。いたの。」


「いやいやいや、いたのって。資料届けに来たら、今日もデキる女の勇姿を見せられたからさ。」


こいつは、早見 宗助。
同期入社で、最初の頃からやけに気が合って、こうして頼み事もできちゃう間柄だ。

まあ、密かにライバル視してるんだけどね。


「資料ありがと。でも、余計なことは言わなくてもいいの、部下を伸ばすのも私の仕事。仕事の邪魔だから、はい、出てってね」


「冷たいヤツだなぁ。それを集めるの、結構大変だったんだぞ」


可愛く拗ねてもダメ。
全然可愛くないから。


「はいはい、今度、ご褒美に美味しいレストラン予約しておくから。予定空けておいてね」


私は、犬でも追い払うように、シッシッと手を横に降る。


宗助は、なんとなく怒ったような顔をしていた。

なに…?不満なの?
レストランじゃワリにあわないって?


ちょっと、…私まで、眉間にシワが寄っちゃうじゃない。



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