コイアイ〜幸せ〜
まずは、彼に慣れるところから始めようと思った。


仕事中、一定の距離を保って彼の背後に立つ。


最初から役に立てると思ってはいない。


どんな事をしているのか、どんな人物と会っているのか、 何かある度にメモをしていく。


行動スケジュールも確認出来て、一石二鳥!!


う〜ん、でもなぁ。
まるで、彼の観察日記でも付けている気分だ。


私だったらヤダなぁ。
仕事の間、ずっと誰かに後ろから見られているなんて。


絶対に仕事、やりにくいハズだわ。
嫌がらせに近いもん。




それにしても、この人、本当に無駄がない。
各部署から上がってくるたくさんの情報を、素早く整理してまとめていく。
他の企業のお偉いさんと会っていても、相手を警戒させずに、自分のペースに持っていってしまう交渉術は本当に凄いの一言だ。


できる人だとは思っていたけれど、こうして間近で実感していくほどに、興味がわいてしまう。


まだまだ、私の知っていることは、ほんの一部分に過ぎないのだから。


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