コイアイ〜幸せ〜
もちろん、知りたくない知識も増えた。
彼はコーヒーよりも紅茶派で、結構好みにうるさいんだとか、時々、休憩時間の合間に10分くらいソファーで熟睡する無防備な姿とか。
ぜんぜん、まったく知りたくない。
「山下さん、いつも後ろにいますよね。俺の隣に来てもいいんですよ」
執務室の中、観察日記も一週間ほど経った頃、彼は静かな声で私に話しかけてきた。
「迷惑ではないんですか?」
てっきり嫌がっていて、そんなことは辞めてくれと言われると思っていた。
「まさか、貴方に見られてする仕事も楽しいですよ」
いやいやいや、楽しいってこの人は…。
「ほら、遠慮しなくていいからおいで」
チョイチョイと手招きまでされてしまった。
まねかれるままに、彼の隣にまで近づく。だいぶ私も慣れてきたのかも。
「この資料を見て、貴方はどう思います?」
私は、彼の手にしていた資料を覗き込んだ。
営業部から上がってきた資料、その中には一昨日のレセプション会場で挨拶をした実業家の経歴と企業宣伝の報告内容が書かれていた。
「はい、私もそれには目を通しました。表向きには何の問題もありません、人格的にもです」
彼はコーヒーよりも紅茶派で、結構好みにうるさいんだとか、時々、休憩時間の合間に10分くらいソファーで熟睡する無防備な姿とか。
ぜんぜん、まったく知りたくない。
「山下さん、いつも後ろにいますよね。俺の隣に来てもいいんですよ」
執務室の中、観察日記も一週間ほど経った頃、彼は静かな声で私に話しかけてきた。
「迷惑ではないんですか?」
てっきり嫌がっていて、そんなことは辞めてくれと言われると思っていた。
「まさか、貴方に見られてする仕事も楽しいですよ」
いやいやいや、楽しいってこの人は…。
「ほら、遠慮しなくていいからおいで」
チョイチョイと手招きまでされてしまった。
まねかれるままに、彼の隣にまで近づく。だいぶ私も慣れてきたのかも。
「この資料を見て、貴方はどう思います?」
私は、彼の手にしていた資料を覗き込んだ。
営業部から上がってきた資料、その中には一昨日のレセプション会場で挨拶をした実業家の経歴と企業宣伝の報告内容が書かれていた。
「はい、私もそれには目を通しました。表向きには何の問題もありません、人格的にもです」