コイアイ〜幸せ〜
宗助、どこに行っちゃったんだろう。


言いかけの言葉って、凄く気になるのにな。


「今日は執務室に戻らないので助かりましたけど、まさか、セクハラした時に外したりしました?」


この人ならやりかねない。

彼は、それには答えずに、口元だけで笑っている。


まだまだ、謎の多い人だわ。




やりたいことは山積みなので、午前中に挨拶廻りを済ませておきたい。


そういえば、宗助とディナーの約束があったっけ。


話の続きを聞きながら、ご飯を食べよう。


ごめんね宗助、忘れていたわけではないんだよ。


各部署から上がってくる利益率を見ながら、伸び悩んでいる部署の偵察をしようと思ったのだ。


しかも、こっそりとね。


いままでも、働くことは嫌いではなかった。
もちろん、イヤなことや苦しかったことはたくさんある。
けれど私は、目標となる人をみつけてしまった。


松本晃一という人物に、どうしても引き寄せられてしまうんだ。




お昼の休憩時間に、お店の予約をとった。


仕事の合間に、宗助に宛ててメールを打つ。



宗助、来てくれるって信じてるよ。



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