コイアイ〜幸せ〜
「ふっふっふっ、やったわ!宗助よりも早く昇進しちゃった!」


「やったわ!じゃないだろ、この確信犯め。ホントいい性格してるよ。俺をこき使っておいて、お前だけ昇進かよっ!」


「エヘッ」


「エヘッ、じゃねぇ。可愛くないんだよっ!同じ事をしてもなぁ、月々の給料に響くんだよ!モチベーションが下がるんだよ」


「宗助、大丈夫だよ。次の審査には間に合うように、私も協力するからさ。悪〜いこともやっちゃうから、宗助のた・め・に!」


バコッ。


居酒屋のメニュー表で叩いた。



俺は、つららさんに対しての認識を間違っていた。
いや、ある意味騙されたのかもしれない。


「痛いよ宗助。暴力反対っ!私ばんざい!」


「意味わかんねんだよ、この酔っ払い」


「いやぁ〜、宗助に犯される〜、居酒屋でぇ〜」


「変なこと叫んでんじゃねぇ。恥ずかしくないのか」


すぐに辞めると思っていた女は、こうして、着々と社内でのし上がっていく。


面白い女だ。


ただ、間違っていないこともあった。


つららさんは、男に対して無防備過ぎる。
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