gangな恋
私はドカッとソファーに腰掛けた。
出掛ける準備するだけなのに、こんなに疲れたのは初めてだよ―――
お母さんが用意してくれたココアを飲みながら、私は小さな溜め息をついた。
「あ…そろそろ行かねぇとやべぇな。…じゃ、行くわ。夏帆はどーする?」
「んー…家に帰って寝る!」
「………」
夏帆の奴………
私のためだけに朝早く来てくれたのか。
「ごめんな…休みなのに」
「全然っ!謝るくらいなら、今日楽しんでよねっ」
私が謝ると、夏帆は満面の笑みで答えた。
ほんと夏帆らしいっつーか何と言うか……
まぁ夏帆のそんなとこに、いつも助けられてんだけど。
「サンキューね」
夏帆は「もう少しお邪魔する」と言って、私は一人家を出た。