gangな恋
私の小さな声に気付いたのか、和弥は私の方へ振り返った。
「わりー待たせた」
「………」
「……和弥?」
「………ん。行こうか」
「おう」
一瞬、和弥の動きが止まったように見えたけど……
気のせいかな。
今は普通の和弥だし。
私達はバスに乗って遊園地まで移動した。
日曜日ってこともあって、家族連れやカップルが大勢いた。
「っわー…遊園地なんて久っしぶりだなー」
「そうなのか?」
「ん。ガキの頃以来だ。……って今もガキか」
「クスっ、よしっ行くぞ」
いつもの様に私の頭を撫でて、和弥は歩き出した。
和弥が二人分のチケットを係員に見せて、私達はゲートをくぐった。