gangな恋


「…じゃあ…あの店」




そう言って私が指差したのは小洒落たパスタ屋。


別にパスタが食いたいってわけでもないけど、迷っても仕方ないし。




「ん。行くか」




まだそんなに混み合ってないパスタ屋に向かって歩き出した。






もう数メートルで店ってトコで、私の視界にあるものが写った。




「なぁ、和弥……あれ……」


「ん?………ああ、ありゃ迷子っぽいな」




まだ幼い男の子が一人、ぽつんと立ち尽くしていた。

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