gangな恋
辺りをキョロキョロと見渡しながら、今にも泣きそうな顔をしてる。
「和弥…」
「行くか」
「わりー。放っとけねーわ」
私達はその男の子のもとへと足を進めた。
こんな広いとこで迷子なんてかわいそうに……
つーか周りの奴らも通り過ぎねーで気ぃ遣えっての。
「ねぇ…お母さん達とはぐれちゃった?」
私は男の子の前にしゃがみ込んで話しかけた。
「………」
男の子は口を開くことなく、小さく頷いた。
「そっか……ぼく、名前は?」
「…………あきと」
「あきと君かぁ。あきと君…お姉ちゃん達とお家の人捜そっか」
「……うん」