gangな恋
「すみませーん。この子…迷子になったみたいで…」
カウンターには女の人が二人。
私は事情を説明して、全体放送をしてもらうこととなった。
「良かったなぁ。もう大丈夫だぞ?」
「うん」
和弥が話しかけると、笑顔で返事をするあきと君。
なんか、歳が離れた兄弟みてぇだ。
カウンターのお姉さんがお茶を用意してくれて、和やかな雰囲気で私達はあきと君の親を待った。
しばらくして――
「「明斗!」」
カウンターのドアが開いて、勢いよく両親と思われる人が入ってきた。
「ママっ!」
ガバッと抱き着く明斗君。
そんな明斗君に両親も安心したみたいで、ギュッと抱きしめた。