gangな恋
はぁ…
私ってとことん女じゃねーな。
「っしゃー!外出るぞ、外!」
私が一人考えていると、突然聖剛さんが叫んだ。
その掛け声で、みんな外へと出て行く。
和弥の家には広い庭があって、うっすらと雪が積もっているみたいだ。
こんな広い庭……まぁ流石金持ちって感じだよな。
てか和弥の両親って何者なんだ?
この前も今日も仕事みたいだし……まぁ別に知りてぇわけでもないけど。
「ちょっと待て、凜」
私も外に向かおうとした時、和弥に呼び止められた。
「何?」
「忘れ物…ほら」
「あ…」
和弥が手に持っていたのは、今日プレゼントされたマフラー。
私の前に立つと、和弥はそっと私の首にマフラーをかけた。
未だに和弥からプレゼントされたことには納得というか、理解してないけど、何気にコレ暖かいんだよな。
「クス…ありがと」
私は和弥に笑いかけて、みんなの元へと走った。
「……まじ……反則…」
私の背中を見ながら、和弥がそんなこと呟いてたなんて、私が気付くわけなかった。