gangな恋
それから私達は少ない雪で小さな雪だるまを作ったり、鬼ごっこしたりして、とにかくガキみてぇに騒いでいた。
族同士の鬼ごっこはなかなかの迫力だった。
途中、滑って転びかけた私は夜龍メンバーの一人に倒れ込んでしまって、何故かそのメンバーを和弥が怒鳴りつけていたけど―――
なんだかんだ私達はずっと笑って過ごしていた。
「「疲れたぁ…」」
こんなに騒いで疲れたのは何時ぶりだろう。
みんなぐったりしながら、それでも笑顔で帰っていった。
「じゃーな、和弥。凜ちゃんも」
「先輩、ありがとうございました。凜のこと頼みますね!」
夏帆は聖剛さんと帰っていった。
あの二人……くっつくよ、絶対。
「凜、帰るだろ?…送ってく」
「へ?や、いいって。歩いて帰るつもりだし」
「ばーか。一人で帰せるかよ」
「だから一人で帰るって」
私の断りも虚しく、結局和弥に送られてる私―――
「今日疲れたなっ」
「ああ。帰ったら寝るだけだな」
「……凜の家、誰かいんのか?」
「んー…多分お母さん達がいるかな」
流石に帰ってる頃だろう……
拓海はまだデートかもしんねぇけど。