gangな恋
ちらちらと雪が降る中、夜道を和弥と並んで歩く。
今日はクリスマス。
やっぱりカップル率高いな。
そんな街中を通り過ぎて、静かな通りになった。
「和弥は…去年のクリスマスは何してたんだ?」
「いきなり何だよ……。去年は…まぁ聖剛とぶらぶらしてたな、多分」
「男同士でクリスマスって…ぷっ、どんだけ寂しいんだよ」
なんか想像しただけで笑えるし。
「お前なぁ…じゃあ凜は何してたんだよ」
「え?喧嘩?」
「喧嘩ぁ!?……はぁ、凜らしいというか何というか…」
和弥は困った様に笑っていた。
つーか、男同士のクリスマスも寂しいけど、喧嘩でクリスマスを過ごすってのも寂しい事に変わりないな。
でも今年は平和だったなぁ……
むしろ楽しかったし。
「…ん?」
「どうした?凜」
「や…なんか、さっき聞こえなかった?」
街頭に照らされた暗い道。
私達は立ち止まって耳を澄ます―――
「気のせい……?」
「…みてぇだな。凜、行こうぜ」
「うん」―――と、返事をしようとした時だった。
ドカッ
ドンッ
それは何かがぶつかる音―――
私と和弥は顔を見合わせ、互いに頷いて―――
音がした方へ、私達は走り出した。
やっぱり私のクリスマスは平和に終わらないみてぇだ。