gangな恋


「はぁぁ……結局喧嘩かよ」


「クス…しゃーねぇ」




音がした方へ近付くと、どうやら喧嘩みてぇだ。


赤い特服を着た女が一人、紫の特服男が三人……


その四人の前に倒れ込んでるのがジャージ姿の女二人。


四対二で、しかも女相手に男かよ………




「あの特服……見たことあるような」


「俺も……あの紫には見覚えある気がする」


私達は少し離れた所で立ち止まって、様子を伺った。






「チッ……お前らどこの族だよ…」


「はぁ?お前らって…誰に向かって言ってんのよ。……この特服見て分かんないの?」




倒れている一人が聞くと、赤の特服女は勝ち誇ったように二人を見下ろした。


私と和弥は気配を殺して、聞き耳を立てる――


まじ、どこの族だよこいつら。




「……REDQUEENよ」






――――は!?






「聞いたことない?REDQUEENのリンっていうんだけど…」






――――はぁぁ!?




いや……


いやいや……


私なら此処にいるんですけど。




「REDQUEENの…リンだと!?」


「はっ…なわけないだろ…第一REDQUEENは男とか、道具使うとか……んな卑怯なチームじゃねー」




うん、そうだよ。


よく分かってるじゃねーか、あのジャージ女達。


私は大きく頷いた。

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