gangな恋
「別に私一人でもその気になれば余裕なんだけど…」
「ばーか…男が黙っとくわけいかねーだろうが」
あっそ。
ま、いいけど……
「さぁて……こいつら、どうすっかなぁ〜」
私は無表情で倒れている四人に近付いた。
すると―――
「かっ…勘弁してくれぇっ」
「あっ…おい!」
三人の男は青ざめて逃げて行った。
って、この女仲間じゃねーのかよ……
置き去りにするとは、男のくせに情けねぇ。
「あ…思い出した」
走って逃げて行く男達を見て、和弥が呟いた。
「思い出したって?」
「あいつら…黒蝶じゃねーの?…あんたも」
和弥は起き上がろうとする赤女に向かって言った。
黒蝶――――
って聞いたことあるようなないような……
「ふんっ、そうよ。一度は潰されたけど……夜龍のカズヤ、あんたにね!」
俯いた赤女は、顔を上げて和弥に叫んだ。
黒蝶って男女混合のチームってことか――
てかこの赤女、和弥に敵意剥き出しなんて、なかなか根性据わってんな。
「卑怯な手ぇ使うチームしか潰さねぇよ、俺は」
和弥がそう吐き捨てると、赤女は悔しそうに唇を噛んだ。
なんか……可哀相に思えてきたのは私だけ?
「あんたさ……辞めなよ、黒蝶。和弥に怒鳴るくらいの根性あるんだし」
「凜何言ってんの?…てか俺関係ねぇだろ」
「和弥は黙ってろ。……その根性があんなら、他のチームにしたほうがいい……仲間を見捨てて行くなんて、最低だ」
「…凜……」
なんで――
なんで私こんな事言ってんだよ―――