gangな恋


一瞬……


“あの日”のことが頭を過ぎる。




「悪い……今のは忘れろ」


「……。…………っ!」




黙っていた赤女は何かを思い出したのか、顔を私に向けたかと思うと、




「クス…」




―――笑った。




な、んだ……?


今笑ったよな…?



何だろう……


何かよく分かんねぇけど、嫌な感じがする。




“今すぐ此処から離れろ”


頭でそう考えているのに、体が動かない―――




「チームを変えろ?仲間を見捨てる?……あんたに言われたくないわ」




ゆっくり立ち上がった女は、私を睨みつける。




「……あんただって、仲間の人生めちゃくちゃにしたじゃない」


「っおい!お前何わけ分かんねぇ事言ってんだよ!?」


「…ふんっ、じゃあその女に聞いてみなさいよ」


「チッ………凜…。………凜?」






なに、こいつ………


なんで――

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