gangな恋


逸らしていた視線を、私はゆっくりと赤女に移した。




「お前……黒蝶じゃねーだろ……」




―――知ってる。


―――知ってる、この女。






「あら、思い出したの?……ま、あんたには忘れられないでしょうね。……今は本当に黒蝶だけど、確かに昔は違ったわ……」


「は?…凜……どういうことだよ…」




わけが分からない様子の和弥をよそに、赤女は私を冷めた目つきで見る。


その目つきに腹が立ってたまんねぇけど、私は目を離せずにいた。




黙ったままの私に、赤女は続けた。




「あの頃はあんたらに……REDQUEENと夜龍に潰された連中で集まってたのよ。…名前なんてなかったわ」




そう――


名前がなかった。


だから、どんなに居場所を調べようとしても分からなかったんだ。

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